下水汚泥由来バイオガスを都市ガスに活用へ

2009年10月22日 11:00

 国土交通省は21日、神戸市が民間事業所と共同して、東灘下水処理場で発生するバイオガスを都市ガスとして活用するための実証事業に取り組むと発表した。都市ガス仕様に精製した下水汚泥由来のバイオガスを直接都市ガス導管に供給する試みは国内初となる。神戸市では「来年度の早い時期にスタートさせたい」としており、東灘区周辺の需要者に供給される見込み。

 神戸市によると「発生したバイオガスを高度に精製し、都市ガスの製造所を通すことなくそのまま都市ガスとして供給するため、都市ガスの製造所との距離に制約を受けることなく、下水処理場等で発生するバイオガスを余すことなく有効利用することができるようになる。事業を通じて運営方法や、経済性を検証し、同様事業の普及促進やバイオマス資源の有効活用につなげていきたい」という。

 計画では、神鋼環境ソリューションが既設の消化ガス精製装置で精製した『こうべバイオガス』を都市ガスと同等の水準に精製し、大阪ガスはこれを買い取り、直接、同社の都市ガス導管網を通して都市ガスとして一般家庭に供給する。実証事業期間は供給開始から10年間を予定している。

 国土交通省では「この事業で導入されるバイオガス量は当初で約80万立方メートルになり、家庭で1年間に使うガス量にして約2000戸分に相当する。これによるCO2削減効果は年間約1200トンになる」としている。
(編集担当:福角忠夫)