日鉄住金鋼板など3社に課徴金155億円 公取

2009年08月28日 11:00

 GL鋼板や鋼帯の大手製造会社・日鉄住金鋼板など大手7社が共同して、GL鋼板の店売り取引での販売価格をキログラムあたり10円引き上げるなどで合意し、市場競争を制限した、として、公正取引委員会は8月27日、特に違反状態の期間の長かった日鉄住金鋼板と日新製鋼、淀川製鋼所の3社に排除命令を出すとともに、3社に対し、合わせて155億718万円の課徴金を11月30日までに納付するよう命令した。

 公取によると、3社は2002年8月下旬頃、GL鋼板の店売り取引での価格引き上げに合意して、同年10月出荷分から引き上げを行っていたほか、2004年、2005年にも価格引き上げで合意、実施。ほかにも、軽量天井下地材製造業者向けのひも付き取引で、ほか2社とともに価格引き上げで合意し、2006年に自由な市場競争を制限。同様に建材製品製造業者向けの特定カラー鋼板のひも付き取引においても、これら3社はほかの3社とともに価格引き上げを2006年に実施していたことが確認された、としている。

 排除命令と課徴金納付命令を受けた3社の中のひとつ、日新製鋼では「この事態を厳粛に受け止め、再発防止につとめたい」とするとともに、54億9075万円の課徴金については2010年3月期第1四半期決算において引当金として計上していることを明らかにした。また、淀川製鋼所は「排除措置命令と36億7567万円の課徴金納付命令につき、内容を精査し、今後の対応を検討する」とコメントするとともに、「課徴金納付命令の事前通知を受け、業績予想の修正に関するお知らせに織り込んでいる」とした。

 GL鋼板はトタンと呼ばれ、屋根材、壁材に多く使用されているほか、軽量の天井下地材や建築物の内装、間仕切り、シャッターなど、加工されて多岐にわたり利用されている。
(編集担当:福角忠夫)