渇水や塩水障害、水道施設の老朽化や地震による施設損壊、水質事故などの原因により、自分たちの居住地域でも水危機は起こりうると、アンケート回答者の7割が感じていることが国土交通省の調査で分かった。特に地震による可能性となると、近い将来起こる(12%)、いずれ起こる(27.3%)可能性がある(49.6%)を合わせて88.9%になった。
水危機を防ぐ対策として回答を求めた結果では、施設の耐震化や老朽化対策(75%)、水供給ルートの複線化、貯水施設の整備(65.7%)といったハード対策を必要とする回答が目立った。次に、雨水貯留施設の設置や自治体や個人による水備蓄といった水備蓄行動があがっていた。
国土交通省では「水危機に備えたハード対策を促進させるとともに、自治体及び個人等における水備蓄行動といったソフト対策を推進させる手法等を検討する必要がある」と報告している。同省が8月27日公表した。
アンケートは今年7月9日から23日にかけ、同省が国内の水危機に関する国民の意識を把握するために国土交通行政インターネットモニター1199人を対象に行ったもので、1054人から回答が寄せられた。
それによると、水道の水源については75.1%の人が知っていることが分かったが、使用後の水が下水道や浄化槽を通して何処へ排水されているかについては46.7%の人しか知らなかった。特に20歳代では知っている人は21.4%にとどまっていた。
また、断水の経験者は61.6%、減水の経験者は36.3%あり、断水または減水の経験者となると7割にのぼっていた。断水・減水で苦労したのはトイレが最も多く72.9%、次いで炊事(61.3%)、風呂(51.4%)だった。
断水・減水の経験から家庭で心がけるようになったことでは、お風呂の水の有効利用(44.8%)が最も多かった。また、普段から節水を心がけている(43.4%)という回答や常時ペットボトルなどの水を家庭内で蓄えている(32.6%)という回答も多かった。
(編集担当:福角忠夫)