山田養蜂場は、自然環境保護活動、開発途上国に対する自立支援活動の一環として植樹活動を毎年実施している。今年は、新型インフルエンザの感染予防のために日本からの参加は見送ったが、現地では例年通り10万本以上もの植樹活動を行った。
植樹活動は1999年からネパールで、加えて2004年からは内モンゴルで実施。今年で植樹活動11年目を迎えるネパールでは、カトマンズ近郊のラヤレ村、チャパカルカ村、バディケール村の村人たちが中心となり建材や燃料となるハンノキやマツ、ビタミンの補給源や販売が可能な果樹であるレモンなど50660本を植えた。昨年植樹を行ったラヤレ村のニングレパカでは、同社が送った植樹費用を積み立ててカトマンズ市内までの道路を造り、交通の便がよくなり農作物の販売がしやすくなったということで、各村の植樹への意識が高まり、今年は4つの村で行うことになった。さらに、ニングレパカでは自ら丈夫な木を育てることを目的にハンノキとマツの苗木、計35,000本を育成。そのうち25,000本が同社の支援で植樹されたものだ。
一方内モンゴルでは、7月中旬に国際生態学センター長の宮脇昭氏と、2001年より同社と共同植生調査を行う横浜国立大学の藤原一繪(ふじわらかずえ)教授の指導のもと、土地の植生にあった10種類、50,000の苗木を、約200人の現地政府のスタッフや中学生で植えた。これにより、過去5年間で植樹場所の山ひとつ分、30haの植樹を完了。また、植樹活動の持続可能性を高めるため、2008年に現地政府と協力し苗場を設営。今年はこの苗場で育てられた苗木を使用した。
これまでに同社ではネパールには28万本、内モンゴルには128万本の樹木を植えてきた。2011年からは中国・安徽(あんき)省での植樹も実施予定ということで、本年より横浜国立大学や国際生態学センターと植生調査を始めている。