内閣府が今年6月に行った地方再生に関する特別世論調査で、住んでいる地域に元気がある、と回答した人と元気がないと回答した人が46.7%、46.2%とともに拮抗していることが分かった。
元気がないと回答した人は、その理由として「商店街など、まちの中心部のにぎわいがうすれている」こと(70.3%)や「地域を支える産業が衰退している」こと(52.4%)「子どもや若い人が減っている」こと(55.5%)などをあげていた。
2005年時調査に比べ、特に増加していたのは「就職する機会や職場選択の余地が少ない」こと(45.8%)で、2005年時調査より21.6ポイントも増加。地方経済の疲弊や地域間格差が浮き彫りになっていた。
また、国や地方が取るべき有効な方法として「必要な税収が見込めない地域に、補助金などの財政的な支援をする」(44.1%)「国の権限を地方公共団体に移し、地方が自由に活動できるようにする」(41.9%)と従来通りの財政的支援策をあげる人が多かった一方で、地方への権限委譲をあげる人も同程度にまで増加していた。
この調査は今年6月4日から14日にかけて全国の20歳以上の男女3000人を対象に実施。1919人から回答を得ていた。
それによると、住んでいるところに元気がある(12.6%)多少元気がある(34.1%)を合わせると46.7%と2007年時調査に比べ3.5ポイント増加。一方で、あまり元気がない(35.6%)元気がない(10.6%)を合わせると46.2%と2007年時調査に比べ6.9ポイント減少していた。どちらともいえないは4.2%で同2.8ポイント増加。わからないも2.9%あった。
元気になるために期待する政策では「多様な世代がともに暮らせるための福祉・医療の充実」をあげた人が59.2%と最も多く、「安心して住み続けるための防犯、防災対策の充実」(49.0%)「商店街の活性化対策やまちなかの居住環境の向上など中心市街地の活性化」(44.5%)が続いた。「地域に雇用を生み出す新産業の創出」をあげた人も39.8%と多かった。
8月30日、投開票で実施される総選挙でも地方経済への支援策や地方自治体への権限委譲のあり方、道州制を見越した取組などへの各政党の訴えが争点のひとつになる。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)