PCソフトウェア管理の徹底を全国知事らに要請

2009年06月11日 11:00

 社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は学校や庁舎内など公共施設で活用されているコンピュータソフトウェアの管理の徹底を図ってほしい、と全国の知事と政令市の市長に対し、6月10日、要請文を発送した。また、ソフトウェア管理の手法をまとめた「ソフトウェア管理再点検セット」を同送した。協会では「今回の要請がソフトウェア管理の徹底と不正コピーの防止の契機になれば」と実効が上がるよう期待している。

 ソフトウェア管理再点検セットは「ソフトウェアの不正コピーの実態や、不正コピーが組織に与えるリスク、不正コピーを防止する方法、不正コピー防止のためのソフトウェア管理に必要とされる管理項目や手法」などが解説されており、チェックに役立ててほしい、としている。

 協会によると、平成10年に協会内に不正コピーに関する情報の受付窓口を開設して以来、これまでに2700件にのぼる情報が寄せられており、今年3月には奈良市の職員が庁舎内のパソコンに600本近いソフトウェアを不正にインストール、5月には石川県でも550本が不正にコピー使用されていたなどが表面化するなどしており「こうした事態を深刻に受け止めている」と今回の要請となった経緯を説明している。

 ソフトウェアの開発には相当な投資がなされており、開発者の利益を守るためにも、著作権法では企業での不正コピーには10年以下の懲役または1000万円以下の罰金、もしくはその併科、法人の場合には3億円以下の罰金を科している。しかし、著作権侵害に対する犯罪意識の低さやコピーの容易さなどが著作権侵害の事案を招きやすくしている状況もあり、著作権意識の高揚も求められている。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)