個人事業者の消費税申告件数、納税申告額、ともに3年連続の減少となった。
国税庁が20年分の申告件数、納税申告額をまとめた。それによると、個人事業者の申告件数は142万4000件、納税申告額は4376億円と19年分に比べ、件数で3万1000件、率にして2・1%減り、金額ベースで221億円、率で4・81%減少していた。個人事業者の業態では個人消費の動向に影響を受けやすい事業体が特に多いだけに、景況の厳しさを浮き彫りにする内容になっている。
国税庁によると個人事業者の申告件数は平成11年分から16年分まで11年の59万1000件(納税申告額3291億円)を最高に、右肩下がりの状態で推移し、16年分では41万6000件(2382億円)にまで減少していた。そして、事業者免税基準が3000万円から1000万円になった平成17年分の申告で申告件数は157万6000件と16年分に比べ3・78倍に、納税申告額も4901億円と2・05倍に増加したが、17年分をピークに、18年分、19年分、20年分と減少してきた。消費税の分納も増える傾向にあるという。
また、国税庁のまとめた所得税の申告状況でも、確定申告書の提出者数は2369万3000人と10年連続で過去最高を更新したものの、申告納税額のある人は752万3000人にとどまり、19年分に比べ24万6000人(率で3・2%)減少した。所得金額も39兆5940億円になり、19年分より3兆6682億円(率で8・5%)減少し、申告納税額も2兆6495億円と19年分に比べ3492億円(率で11・6%)の減少となった。個人所得が増えないために可処分所得が減少しており、個人消費の冷え込みを裏付ける結果になっている。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)