お弁当の彩りとして活用する「ふりかけ」。どちらかと言えば夜食のイメージが強かった「お茶漬け」。この脇役的な存在でしかなかった「ふりかけ」と「お茶漬け」が近年の売上を伸ばしており、消費者の内食回帰の傾向もあって、主役級の存在へとクローズアップされつつある。
今春、ふりかけ・お茶漬け市場は価値提案型の新商品と販促策が例年以上に粒ぞろいとなっている。昨年はふりかけが3年連続、お茶漬けが2年連続で市場を拡大。景気不安による節約志向の高まりから、約10食分が売価100円台という低コスト面が支持された形となっているようだ。
価値提案型の新商品としては、「カレー」、「国産」、「ダイエット」など、最近のトレンドポイントに着目したものが多く見られる。今春の新商品でまず好スタートを切ったのが「カレー」商材。カレー鍋のヒットもあり、子どもが大好きなメニューとしてカレー味は大人気。昨夏に発売したニチフリ食品「ふりかけ倶楽部」は売上げが好調。3月に発売した永谷園の「カレーふりかけ」も、人気の高見盛関を起用したCMや、お茶漬けとチャーハンにも使える多様性が評価されて配荷状況は予想を上回っている。
また一昨年からの食品関連の諸問題によって、生活防衛意識による国産志向が高まり「国産」原料を扱った商品への関心が一挙に高まった。国産の赤しそだけを用いた三島食品の「ソフトふりかけゆかり」、大森屋の「すべて国産のり茶漬」、白子の「めぐり」シリーズなどが新発売され好スタートを切っている。
大型の販促策としては、永谷園の「ダイエットを応援」企画への注目度が高い。「1食食べても約180kcal」とお茶漬けの価値を再定義。商品の包装やCM、消費者キャンペーンと連動して訴求している。永谷園では、朝食提案はもちろん、多岐の視点から本来の商品力の高さを紹介、食頻度を向上させる方向で販促を行っていくとしている。