全国的にミツバチが不足している。このため、石破茂農林水産大臣は、不足の実態把握を早急に行うよう関係機関に指示するとともに、不足を招いている原因究明を急ぐ。また、「メロン、スイカなどの栽培において、特に影響が懸念されるため、利用産地への注意喚起とともに、養蜂業界への提供依頼も行っていく」との意向を語った。
石破大臣は「ミツバチの不足については先般、千葉の方々が実情についてご要請に来られました。それが、日本全国どういう状況にあるか、各都道府県において、どこがどういう状況なのかということを、正確に、詳細に把握をしたいということで、早急にその状況を取りまとめるように指示を出したところです」とミツバチ不足の状況把握に対応している旨を説明。
不足している原因の可能性として、「昨年夏に、ダニや農薬等の被害によって、働きバチの増殖が不十分だったとか、一昨年10月から、女王バチの主要供給国であるオーストラリアからの輸入が途絶えているということで、不足が生じている。何でこんなことになったのか、ということは、いろいろ、低栄養であるとか、ストレスがあるとか、農薬とか、寄生虫とか、その他の病気とか、いろいろあるわけで、原因特定には至っていない。まず原因というものはきちんと解明する」とした。
また、ミツバチの利用産地への注意喚起、養蜂業界への提供依頼、そういうことは行うとし、「クロマルハナバチの利用についても代替できるかどうか、検討するが、代替できるかというと、必ずしもパーフェクトに代替できるというものではないという話も知っている。このため、養蜂業界に協力をお願いする、新たな医薬品の利用普及を図る、ということもやる。また、他の国から入ってこないのかということも検討する。家畜衛生条件の締結交渉というものを、すごく加速させれば、ある程度、問題は解決するのかどうか、そのことも早急にやる」と語った。
ミツバチを利用した栽培が従来通りできなくなれば、コストが非常に高くつくほか、生産量の激減も考えられるため、石破大臣は「農水省として、まさしくこういう時のために行政というのがあるわけですから、私、あまりこの言葉は使わないのだけれども、本当に全力を挙げて取り組むということで、指示を徹底した」と事態深刻に受け止めている旨を表明した。