国の政策に民意は反映されているか?

2009年03月31日 11:00

 国の政策への民意の反映程度について、80・7%の人が「反映されていない」(あまり反映されていない55・9%、ほとんど反映されていない24・8%)と不満に感じていることが1万人を対象に実施された内閣府の社会意識に関する世論調査で浮き彫りになった。前回調査(平成20年2月)に比べ、5・5ポイント増えていた。

 調査は内閣府が社会や国に対する国民の基本的意識の動向を知り、行政に基礎資料とするために今年1月22日から2月8日にかけて、個別面接聴取方式で実施。全国の20歳以上の男女1万人を対象に行い、5890人から有効回答を得た。

 その結果、国の政策への民意の反映程度では、「反映されている」とする人は16・8%(かなり反映されている1・1%、ある程度反映されている15・7%)にとどまり、前回の調査結果と比較して5ポイント減少した。

 国の政策への民意の反映方法として、どうすればよりよく反映されるようになると思うかの問いには「政治家が国民の声をよく聞く」が27・5%と前回調査より1・8ポイント増えてトップに。また、「国民が国の政策に関心を持つ」が18・8%、「国民が参加できる場をひろげる」が17・2%、「国民が選挙のときに自覚して投票する」が15・6%、「政府が世論をよく聞く」が14・5%と続いた。「マスコミが国民の意見をよく伝える」は4・1%と前回より1・1ポイント下がった。

 現在の日本の状況については悪い方向に向かっている分野として「景気」をあげた割が68・6%と最も高く、「雇用・労働条件」(57・5%)、「国の財政」(42・9%)が高かった。特に前回の調査結果と比較して「景気」をあげた人は25・2ポイントも増加、「雇用・労働条件」も26・4ポイント増え、景気、雇用の問題の深刻さを浮き彫りにしていた。そして、とるべき政府の対応では、「税、社会保障を中心に対応を強化すべき」とする回答が38・7%で最も多かった。