佐藤商事、子会社の植木鋼管が民事再生手続開始を申立て

2012年10月17日 11:00

 佐藤商事の子会社である植木鋼管が、平成24年10月16日開催の同社取締役会において、民事再生手続開始の申立てをすることを決議し、同日東京地方裁判所に民事再生手続開始の申立てを行ったと発表。負債総額は9月30日現在で22億300万。再生手続開始決定がなされた場合には、従前の民事再生手続において再生計画によって変更された再生債権が原状に復する結果、約60億円となる見込みだという。

 植木鋼管は、建築用スチール製フロアの製造・販売を実施。平成23年3月期の売上高は18億3200万円、平成24年3月期の売上高は20億5300万円であったが、経常利益は平成23年3月期で2億6600万円の、平成24年3月期でも6200万円の赤字となっていた。

 同社は、平成12年5月に民事再生手続が開始され、再生計画に則って事業を継続していた。しかし、平成20年のリーマンショックを境に再生計画に基づいた弁済も滞り、資金難の状態に。平成21年12月に佐藤商事が、業界の景気回復及び同社の再建の各見込みがあると判断して同社に貸付及び債権の回収猶予等の資金支援を行ってものの、同社の収益は額及び弁済期のいずれにおいても負債とのバランスが取れない状態にあり、再度の民事再生手続開始の申立てを行い、新会社に事業譲渡を行うことにより事業の再生をはかるに至ったとのこと。

 再度の民事再生手続きにより、今度こそ事業の再生を成し遂げることができるのか。復興需要や建設業界に見られる回復基調を見込んでいるのであろうが、二の轍を踏まぬためには、抜本的な変革が求められるのではないだろうか。