薬の都市(まち)、富山県と並び、配置販売業が盛んな奈良県で、1月7日、配置販売業に従事している奈良県人ら600人余りが集い、奈良県配置従事者大会と奈良県主催の奈良県配置薬事認定講習会が奈良県橿原市内のかしはら万葉ホールで催された。
大会で、荒井正吾奈良県知事は、増え続ける医療費の抑制策のひとつとして、行政が取れる施策には限界があるため、民間の協力を得ることが欠かせない。そのため、「県下の企業を回り(健康保持のため)通勤の際にも、ひと駅手前で降車頂き、歩いて出社頂くように協力をお願いしてもいいのでは、と思っている」と私案を語るとともに、保健衛生向上のため、地場産業としての配置販売業に対する期待を語った。
配置販売業は奈良県の伝統産業のひとつだが、配置従事者の高齢化に伴う廃業やドラッグストアの急激な増加、医薬品販売市場の競争激化から、後継者難もあり、奈良県下の配置販売業者や配置販売従事者らで構成する奈良県家庭薬配置商業協同組合(江南陽吾理事長、奈良県御所市)でも毎年減少傾向を続け、会員が970と今年度1000を割ってしまった。
このため、配置得意先の保全には8年前から、メーカーの団体(奈良県製薬協同組合)と奈良県家庭薬配置商業協同組合が共同で、奈良県得意帳情報流通センターを立ち上げ、得意帳の売買の斡旋をはじめ、得意帳の客観的な評価を行い、得意の継承に努めている。この8年間で1万1千軒以上の継承に成功している、という。また、商業組合の中に、指導後継者対策委員会も早くから立ち上げ、業界に魅力を感じて、業の振興に貢献する人材の育成に努めている。