新築住宅の売主等に対して瑕疵担保責任を履行するための資力確保を義務付けるなど、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)が平成21年10月1日から本格施行されることから、国土交通省は、新築住宅を供給する建設業者や宅地建物取引業者が、この制度にどの程度周知しているか、その周知度や理解度を把握するための調査を今年9月25日から10月8日にかけて実施。6419事業者から回答を得た。
その結果、法律により「新築住宅を引き渡すには保証金の供託又は保険への加入が義務付けられる」ことを知っていると答えた住宅事業者は、北海道、宮城、千葉など12道県ではすべての回答者が知っていたが、全国平均では97・3%と、2・7%の事業者は知らなかった。また、最も低い茨城県では88・9%と10社に1社が知らない状況であることが分かった。
また、「義務づけの開始は、平成21年10月1日である」ことを知っていると答えた住宅事業者は全国平均で88・0%。県別では、80%を下回った都道府県が5県。最も低い茨城県では68・9%。「契約日が平成21年10月1日より前であっても、建物の引渡しが、平成21年10月1日以降の場合は義務付けの対象となる」ことを知っていると答えた住宅事業者は全国平均で81・7%。県別では、70%を下回った都道府県は4県あり、最も低い奈良県では63・2%だったとしている。さらに、「賃貸マンションや賃貸アパートも対象に含まれる」ことを知っていると答えた住宅事業者は全国平均で53・1%にとどまっていた。
法律の施行に際して感じている不安については、「資力確保のための費用を価格転嫁する場合にユーザーの理解が得られない」ことが不安であると回答した事業者が38・4%、「現場検査員が足りないために検査が遅れ、結果として工事が遅れるのではないか不安」と回答した事業者が38・1%、「瑕疵発生時に保険金がきちんと支払われないことがあるのではないか不安」と回答した事業者が37・7%、「検査時の設計・施工基準の内容が厳しいのではないか」と回答した事業者が37・7%、「保険の申込窓口がどこにあるかわからない」と回答した事業者が30・9%あったことから、同省では「今回の調査結果を踏まえ、今後、浸透度の低い地域や内容、不安に感じている点に関し、講習会の追加開催や建築確認の機会を通じた注意喚起、モニタリング調査による問題点の把握など、重点的な周知活動や不安の解消等を行う」としている。