鶏卵中の16種のカビ毒を一斉分析する手法開発

2008年09月22日 11:00

 キユーピーは、鶏卵中のカビ毒を効率的に分析できる方法を開発。神戸市内で開かれた日本食品衛生学会で発表した。今回の開発により、「マヨネーズや卵加工品などに使われる鶏卵の安全性が、さらに高いレベルで確認できるようになった」と話している。

 同社によると、「カビ毒は主に穀物などの乾燥品から検出されるため、分析法も乾燥品を対象にした方法がほとんどで、そのため、これまでは鶏卵のように水分を多量に含むサンプルで、カビ毒を一斉分析する方法は確立されてこなかった」という。

 同社では、鶏卵をサンプルに、アフラトキシン類をはじめとする16種類のカビ毒を一斉に分析できる方法に成功した。

 開発された新しい分析方法では、サンプルからカビ毒を抽出する方法や不純物を除去する方法が工夫され、機器分析に供するカビ毒を効率的に集められるようにしたという。また、タンデム四重極型質量分析計付高速液体クロマトグラフィーで分析結果を確認することにより、16種類のカビ毒が1回の操作で分析できるようになった。食の安全が最も関心を集めるなかで、鶏卵の安全性が高められる成果は大きい。

 アフラトキシン類はDNAや染色体に直接作用し、遺伝子を変異させるなど、発がん性が特に問題視されているカビ毒で、炭水化物に富むトウモロコシ、ナッツ類、香辛料など多種類の農産物に感染して増殖するといわれている。