DNA配列の違いを電気的に識別する技術を開発

2008年08月21日 11:00

 松下電器産業は、甲南大学・杉本直己教授と共同で、薬効や病気の発症リスクなど個々の体質に影響を与える個人ごとのDNA配列の違い(SNP)を電気的に識別する技術を開発。世界で初めてDNAを固定せずに電流計測することにより、正確かつ安価なSNP識別を実現した、と発表した。
 この技術を用いることにより「正確かつ安価に一人ひとりの薬効や病気の発症リスクを知ることができる」としており、「今後、一般病院や診療所などの医療現場で個人の体質に合わせた健康管理や医薬品処方を可能にする技術として、展開が期待できる」という。

 同社は「従来の識別技術では、DNA複製反応を厳密に制御することが困難であったため、SNPの正確な識別が困難なうえに、識別用人工DNAを固定するための特殊で高価な電極が必要だった」と、新技術の成果を語った。

 SNPは「DNAの塩基配列に見られる個体差のうち、特に一塩基対が異なる状態およびその部位のこと。ヒトのDNA構成塩基30億対には、SNPが百万種類以上存在すると言われている。これら塩基配列の多様性によって、薬の効き方や病気のかかりやすさに個人差が生じることが明らかになってきている」(同社)。