運航委託契約に4割の業者が燃料高騰反映されず

2008年07月22日 11:00

 原油価格の高騰が続く中、中小業者の多い内航海運業の取引実態について、国土交通省と日本内航海運組合総連合会が共同で調査した結果、燃料油価格高騰による取引先との負担についての話し合いで、運航委託契約について、26・2%(41社)が「一方的な説明のみ」と回答し、36・6%(70社)が「全く話はない」と回答していることが分かった。また、燃料油価格高騰分について、代金への反映では、運航委託契約において39・8%(76社)が「全く反映されない」と回答。業態の厳しさをうかがわせている。

 調査は今年3月から実施され、3月末、5月中旬、5月下旬の回収。831事業者から回答があった。

 寄せられた意見の中には「運航委託船の場合、燃料油がいくら高騰しても他の経費を削減するわけにもいかず、その差額はほぼ船主負担が現状となっている。荷主はきちんと支払っていると聞くが、オペレータに対し現状を説明しても不足分を支払うというような姿勢もない」というものや、「燃料油高騰は、内航船の中でも燃料消費量の多いRORO船が一番影響を受けている。RORO船は、荷主が多岐におよび、また大部分がトラック業者であるが、そのトラック業者が荷主に転嫁をさせてもらえないため、それを理由にバンカーサーチャージに応じてもらえないという構図となっている」というものがあった。