佐伯祐三展 大阪市立美術館で

2008年07月17日 11:00

 30年という短い人生の中で、パリの街角や近郊の村落を重厚な色彩で描いた画家・佐伯祐三が亡くなって80年。大阪市立美術館では9月9日から10月19日まで特別展「佐伯祐三展 パリで夭逝した天才画家の道」を開く。

 展示は、佐伯祐三が東京美術学校(現・東京芸術大学)からパリに行くまでに多く描いた自画像を中心とした時代。1924年にパリに渡り、荒々しいタッチで校外の風景を描いた時代。1926年に帰国し、東京や大阪の風景を描いた時代。再度、パリに渡り、佐伯芸術を開花させた時代。1928年に新しいものを求め、パリ近郊に写生旅行し、「モランの寺」などの連作を描き上げた時代、の5章でまとめられている。

 観覧は一般1200円、高校・大学生900円、中学生以下・障害手帳保持者・大阪市内在住者無料。開館は午前9時30分から午後5時まで。同美術館は天王寺公園内にあり、大阪市営地下鉄御堂筋線・谷町線・JR天王寺駅、近鉄あべの橋駅、JR天王寺駅下車。

 佐伯祐三・1898年、大阪府西成郡中津村(現・大阪市北区中津)の光徳寺に生まれる。府立北野中学校(現・府立北野高等学校)に通うかたわら、赤松麟作に洋画の手ほどきを受ける。1918年、東京美術学校に入学。1924年、パリに渡る。1926年、一時帰国し、パリの留学仲間・前田寛治らと「1930年協会」を結成。1927年に再渡仏し、パリの街並みに広告の文字が躍る佐伯美術を開花させる。1928年、パリで生涯を終える。特別展に関して詳しくは同美術館・電話06・6771・4874