CO2削減や経済的な効果も期待できるとして注目されている「サマータイム」を北海道・札幌商工会議所が昨年に続き、今年も6月2日から8月10日までの70日間実施する。
サマータイム参加事業者が通常より業務の開始時間を1時間早め、午前8時からスタートさせ、業務終了時間は従来通り午後5時30分までだが、早出勤務と平常勤務の2交代制を敷くことにより、早出勤務の従業員らは午後4時30分には仕事が終わることから、余暇時間の日照時間を通常より1時間多くとることができる。
同会議所では平成16年から18年まで、サマータイム実験を行い、昨年から本格的にスタートさせた。北洋銀行など30社が参加した。2年目の今年は「北洋銀行の本支店はじめ、北海道新聞社、道新スポーツなど130社から140社程度の参加申し込みを受けている」と同会議所では話している。
また、北海道では夏季の日中時間が札幌で、東京や大阪に比べ、1時間程度長く、サマータイム導入に適した自然環境にある、としている。例えば札幌では、最も日の出の早い時期は3時54分(6月中旬)、日の入りの最も遅い時期では19時18分(6月下旬から7月上旬)になっている。また、日昼時間の長い時期では1日15時間(3時55分から19時18分)というデータもある(平成16年冬、17年夏調べ)。
サマータイムは生活面において「健康増進、余暇の利用拡大、企業においては省エネルギー効果やCO2の削減、新たなビジネスチャンスが生まれるなど、高い導入効果が見込まれるほか、夕方のラッシュ時間が明るいため、防犯効果や交通事故抑止にも期待が持たれている」。
一方で、中小企業などでは労働時間の延長につながるという意見や、航空機や鉄道などの北海道・本州間のダイヤのズレ、本支店間の連絡や代金決済問題、コンピューターシステムの修正など切り替えにコストがかかるなどの課題も指摘されている。