外国人労働者について、舛添要一厚生労働大臣は「単純労働者についてそう簡単に門戸を開くわけにはいかないと思います」と単純に低コストで労働力を確保するための発想から外国人労働者問題を捉えることに「絶対反対」の考えを表明した。
舛添大臣は「移民を巡る様々な社会問題、今ヨーロッパでサードジェネレーションまできています。そうすると自分はドイツ人なのか、トルコ人なのかそういうアイデンティティクライシスに悩む若者がいるわけです。開かれた国にして、いろいろな文化が入るのは結構だと思いますけれども、そういう社会的コスト、そして第3世代まできたときにアイデンティティクライシスに苦しむ若者達をどうするか。こういうヨーロッパの先人達の経験を、きちんと学ぶ必要があります。それから、高度人材を入れるといいますが、高度というのはどういうことを意味するのですかと。要するに人手不足になる、そうすると安い賃金で外国人を使えばいいじゃないかと、そのレベルの発想で企業の方がおっしゃっているのであるなら、私は、これは失格だというふうに思っております。ただ単に高度人材を倍増計画なんて言っても、高度とは何を意味するのか。今ある会社の社長の給料の倍を出してすばらしい外国人を雇いますかと、それだけの覚悟はありますかと。だからそういうこともしっかり考えてもらわないといけない。ただ倍増計画を立てればいいというものではありません。英語が通じるようにすればいいじゃないかというのは結構です。だから、私は東京大学の先生の時に英語で授業をやってやろう、フランス語でやってやろうと言ったのだけど、東京大学の先生で何人英語で授業できますかというようなことも含めて現実をよく見て、外国の人達が生活しやすいようにする生活環境を作る。例えば、新宿駅に降り立った時にSHINJUKUとローマ字で書いているけど、小田急とか京王に乗り換えの案内というのは英語で書いていない。例えばそんなことをよくするというのは、それは当然やるべきこと、外国の人が生活しやすいようにすることもやるべきことなのだけれども、単純に安い労賃で人を雇いたいからくらいの発想でおっしゃる方がいれば私は絶対反対なのです」と語った。