長寿医療制度で首相 問題点の集中点検を指示

2008年05月02日 11:00

 福田康夫首相は長寿医療制度について「今回の制度は費用の5割を税金で、4割を若い世代の保険料で御負担いただき、残りの1割を高齢者の方々にお願いするものでありますが、これまでにない大きな改革であり、定着するまでに半年程度の試運転が必要。6月には、第2回目の年金からの保険料の天引きがございますが、それまでの間に、今回の制度が実際に運用されるに当たって、どのような問題が生じているのかを集中的に点検いたします」と緊急に問題点を洗い出すとともに、「浮き彫りになった問題点については、各自治体において必要な対応が取れるよう、きめ細かな手当を講じていく」旨を語った。手当に財源が必要な場合には「道路特会などの行政の無駄を排除する中で捻出していく」考えだ。

 自ら、道路特会などに無駄のあることを認めた発言だが、長寿医療制度はスタートしたばかりであるにもかかわらず、与党内からも是正の意見が相次いでいる。長寿医療制度の保険料負担が契機になり、一層の生活苦から、将来を悲観しての自殺者までが生じる状況にあり、低所得者への負担軽減策が喫緊の課題になっている。

 福田首相は「制度の骨格、考え方、これは必ずしも悪いわけではないと思う。やはり、この長寿社会を維持するために、どういう仕組みがいいのかということなんですけれども、長年かかって考え抜いてできた制度でありますから、基本的な考え方が悪いのではないんだと思います。ですから、この制度を定着させるために、何が必要なのかということを緊急対策として問題点を洗う、実態をよく調べてもらうということが必要なんでありまして、それをとりあえず大至急やってもらおうと。その点検結果を踏まえて」(改善すべきは改善する)意向だ。