やっぱり終身雇用 支持者増加

2008年05月01日 11:00

 勤める会社は「職場の人間関係が良く」(63・4%)「終身雇用」の会社が良い(86・1%)という労働者の志向が年々高まっていることが独立行政法人労働政策・研修機構の第5回勤労生活に関する調査で分かった。働く会社で終身雇用の次に多かったのは「仕事と家庭生活の両立支援を行っている会社」(46・7%)だった。プライベートにも理解があって、日本型の雇用慣行をとっている会社で、職場仲間とも、連帯感をもって仕事ができる職場志向の強まっていることがうかがえそう。

 調査は同機構が勤労者の生活実態を把握し、勤労者意識の諸側面を分析するため、2007年9月、10月に全国の20歳以上の男女4000人を対象に調査員による訪問面接によりデータを得た。2315人が回答。調査は1999年、2000年、2001年、2004年に続き5回目。「基本項目はすべて同一質問、同一調査法をとっているため、正確に時系列の変化が得られる」(同機構)としている。

 それによると、日本的な働き方について「終身雇用」と「組織との一体感」を支持する(良いことだと思う、どちらかというと良いことだと思う)割合は、それぞれ2001年(76・1%、79・1%)、2004年(78・0%、77・8%)だったが、2007年では9割弱(86・1%、84・3%)と大幅に上昇した。

 利益分配についての考えでは、機構は4分類を設定。実績をあげた人ほど多く得るのが望ましい(実績原理)、努力した人ほど多く得るのが望ましい(努力原理)、必要としている人が必要なだけ得るのが望ましい(必要原理)、誰でもが同じくらいに得るのが望ましい(平等原理)から、選択回答を得た結果、努力した人ほど多く得るのが望ましいとの回答が88・6%と最も多く、次いで、実績をあげた人ほど多く得るのが望ましいの83・9%、必要原理と平等原理は2004年調査に比べ必要原理で1・9ポイント、平等原理で2・7ポイント増えてはいるものの、いずれも31・7%、20・7%と3割台から2割台にとどまっていた。