社員1千人残業1日30分削減で年3億円削減に

2008年04月25日 11:00

 男女共同参画会議仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する専門調査会は、企業が仕事と生活の調和に取り組んだ時のメリットを、企業17社のインタビューの中から得られた情報をもとに、まとめ、公表した。

 それによると、従業員1万人以上の製造業者が就業時間を1日1時間短縮、あるいは2時間短縮、半日勤務、週2日勤務や3日勤務など、従業員ニーズのあわせた短時間制度をもうけたケースについて、育児のために1時間、2時間短縮勤務を利用する社員が増えた。この結果、子どもをもつ女性従業員の職場定着率が向上した。女性の商品開発チームから生活者としての視点を活かしたヒット商品が開発された。時間的管理能力が向上した、との効果が紹介されている。

 従業員1000人から3000人規模の製造業者が事業所内保育所を設置した結果、育児休業を早めに切り上げ、職場復帰する社員が出てきた。自社への誇りをもつ効果が促進された。

 従業員300以下の製造業者が取得理由を限定しない勤務時間選択制度(短時間勤務制度、育児や介護、受験や家事の都合などを理由に勤務時間が選択できる制度)を導入したところ、従業員の職場定着や満足度、仕事への意欲が高まったとしている。

 また、業務目標を変えずに業務の効率化を図り、残業時間を短縮することにより、どれくらいコストの削減につながるかを試算した結果では、従業員1人、1日30分残業を少なくしたとき、1000人規模の事業所では残業削減推進担当者(人件費91万円)を置いても、人件費、光熱費での削減が図られることにより、3億723万円のコスト削減になるとしている。500人規模では残業削減推進担当者(人件費80万円)を置いても1億3508万円の削減に。50人規模で残業削減推進担当者(人件費73万円)を置いても1180万円のコストが削減されると試算しており、業務効率化と残業削減などの効果についても、企業にメリットの大きいことを提示している。

 こうした取り組みを推進するためには、トップの意識改革、リーダーシップ、経営戦略への位置づけとともに、長時間労働を前提とせずに業務を互いに代替できる適正な人員、時間管理、公平感のある人事評価、お互い様という意識の醸成、時間を有限な経営資源として捉える取り組みを提案している。また、取引先企業や顧客など、企業の枠を超えた取り組みの必要性を提起している。