認知症の医療、生活の質向上プロジェクト発足へ

2008年04月24日 11:00

 認知症患者は全国に170万人いると推計されているおりから、舛添厚生労働大臣の指示により、認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクトが発足することになった。5月1日、発足する。緊急プロジェクトは認知症に関する包括的・総合的な対策を推進し、7月ころまでに基本方針と短期的対策をとりまとめたい意向だ。ここで示された短期的対策を実効性のあるものにするため、平成21年度予算の概算要求に盛り込む方針だ。

 プロジェクトのための専門チームは岩坪威東京大学教授(脳神経医学)をはじめ朝田隆筑波大学教授(精神神経科)、中島健一日本社会事業大学教授、永田久美子認知症介護研究・研修センター主幹ら専門家を含む10人で構成され、同省老健局長が事務局長を務める予定。

 同チームは、認知症に対する技術開発を加速させるとともに、早期診断の推進、適切なケアの普及、本人や家族への支援策などを研究する。ケア対策の充実では認知症ケアの標準化・高度化の推進策、医療との役割分担・連携、地域包括ケア体制における認知症ケア機能の強化、若年性認知症者の自立支援対策などについて研究していく。