ラグビーの国際親善試合が15日東京・秩父宮ラグビー場で、日本代表がウェールズ代表に23―8で完勝し、13度目の対戦で、初勝利を挙げ、歴史的快挙を成し遂げた。秩父宮ラグビー場は、2万人を超える観衆で埋まり、日本代表が勝った瞬間、スタンディングオペーションでこの歴史的快挙、新たな金字塔を打ち立てた、桜のジャージを讃えていた。
試合は、前半この日絶好調の、五郎丸(ヤマハ発動機)の2度のPG成功で、6-3とリードして前半を折り返した。後半4分ウェールズにトライを許し逆転され、いつもはここから崩れていくパターンであったが、この試合は違った。
8分には連続攻撃で、CTBウィング(神戸製鋼)がトライを決めて再逆転、19分には、FWとバックスが一体となった連続攻撃で、フランカー、ブロード・ハースト(リコー)がトライを奪い、執拗に攻撃を仕掛けてくる、ウェールズを突き放し勝利を手繰り寄せた。
同試合は、元豪州代表監督のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)が就任して2年目の快挙、攻守ともに日本が上回った試合であった。
ウェールズと言えば、欧州6ヵ国対抗の名門中の名門チームで、今年2連覇している世界のトップクラスのチーム。1880年代に、イングランド、スコットランド、アイルランド、ウェールズ4ヵ国で正式に発足し、後にフランス、イタリアが加入し、いずれも強豪国で、世界のラグビー界を引っ張って来たのだ。
しかし最近になって、W杯では、欧州勢の優勝は遠ざかり、2003年大会のイングランドの優勝のみで、欧州勢に代わって、ニュージーランド、豪州、南アフリカの南半球勢が台頭し、一時代を築いているといえよう。
今回の世界の強豪ウェールズを破った、日本の偉業は世界のラグビー界も驚いているだろう。アジアでは敵なしの日本代表も、これで世界に肩を並べる日も近いと見た人は多いはず。今後に大きな期待を感じさせてくれる試合内容だった。(編集担当:犬藤直也)