日本経済団体連合会は「財政再建に向けた予算制度の改革」を求めた提言をまとめた。
その中で「2009年度に予定される基礎年金国庫負担割合の2分の1への引上げをはじめ、高齢化の進展に伴う社会保障関係費増大への対応の必要性など、財政健全化に向けて多くの困難が待ち受けている」ことを踏まえ、「国会は財務省や内閣府をはじめ行政府の協力の下、当面の財政構造改革の目標(5年間程度)について、必要不可欠な歳出増加に対応した財源確保策を含め、歳出歳入改革法(仮称)の制定などの手段を通じて、一定のコミットを行う。これにより、当面の財政運営における一定のルールを明確にする」ことが必要としている。また、経済社会情勢や財政健全化の進捗状況などに対応し、定期的に改定することも提言している。
また「国会がコミットメントを形成するに際して、その主体性を確保する観点から経済や財政状況の見通しなど、判断の前提となる情報について、財務省や内閣府に全面的に依存することは望ましくない。多角的視点から分析された豊富な情報が利用可能となるように、中長期的観点から両院事務局、特に予算議決について優越的権限が付与されている衆議院の事務局の情報収集・分析機能を拡充していく必要がある。具体的には、事務局において、経済政策分野、財政分野などについて、専門性の高い人材の研修、育成を図るとともに、民間を含む外部の研究機関などを効果的に活用する仕組みを構築していくべきである」としている。
行政府についても「内閣は事前に行政府として取り組む優先政策事項を明示し、それをメルクマールとすることで透明性を確保しながら、政策の優先度に基づいて必要な予算を充当していく一方、経済社会情勢の変化に伴い重要性の低下したものについては、思い切った予算の縮減を図ることが求められる」と提言している。