放射線被害が心配 イリジウム192所在不明に

2008年04月11日 11:00

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(写真は容器と放射性同位元素イリジウム192)

 近寄らないで、まず、警察に通報を。放射性同位元素(イリジウム192)が収納された非破壊検査装置が何者かによって非破壊検査会社の保管庫から持ち出され、4月7日から行方不明になっている問題で、被害に遭った千葉県市原市五位9138の非破壊検査株式会社京葉営業所から所在不明になっているとの報告を受けた文部科学省では「非破壊検査装置(容器)を見つけたら近寄らずに、警察に通報するよう」呼びかけている。

 容器はつづみ様の形容で長さ40センチあまり、径27センチあまり。重さ22キログラム。この中に、密封された放射性同位元素が収納されていた。形状は長さ17センチ、径0・7センチ。

 中矢隆夫文部科学省科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室長は「ゼッタイに近寄らないで、警察に通報してほしい。容器を誤って開けてしまうと、被爆するだけでなく、障害が出る可能性がある。(径0・7センチで17センチの形状だから)ポケットにでも入れたりすると大変」と警鐘している。

 容器に入った状態でも容器表面から1メートル離れた場所で最大7マイクロシーベルト(毎時)の放射線を浴びることになり、容器から出された状態では1メートル離れた場所で50ミリシーベルト(毎時)の放射線を浴びることになり、被爆だけでなく、障害の可能性が出てくるという。

 問題の容器は非破壊検査会社によると、4月4日午後10時50分の時点では異常がみられなかったが、7日午前7時に容器がなくなっていることに気づき、警察署と文部科学省に連絡したという。監視カメラで4月5日(土曜日)の午前1時40分に保管庫に何者かが侵入し、持ち出しているところが確認されたという。

 また、文部科学省では非破壊検査会社に対し、検査装置などの保管状況、管理方法に問題がなかったかどうかも含め、4月16日までに詳細な報告を行うよう求めた。