受動喫煙防止策探る 厚労省が検討会立ち上げ

2008年03月21日 11:00

 受動喫煙による被害から非喫煙者を守るための環境づくりを推進するため、受動喫煙防止対策のあり方を検討する検討会が厚生労働省健康局長の下で立ち上げられることになり、3月26日午後1時30分から、第1回検討会が都内の東海大学交友会館で開かれる。この日は受動喫煙防止対策の現状報告から話し合われる。3月24日までに住所、氏名、電話番号、ファックス番号を書いて事務局(FAX03・3502・3099)まで申し込めば傍聴できるが、傍聴中は「もちろん、喫煙はご遠慮ください」。

  厚生労働省では「受動喫煙については、喫煙習慣を持たない人も喫煙者のそばで煙を吸うことにより肺がんや循環器疾患などの危険性が増大することが明らかになっており、健康日本21の中間評価報告書でも、あらゆる受動喫煙場面から非喫煙者を保護するための環境づくりが必要との指摘が行われている。平成19年7月のたばこの規制に関する世界保健機関枠組み条約第2回締約国会議においても、たばこの煙にさらされることからの保護に関するガイドラインが採択され、受動喫煙防止対策の推進が求められていた」と検討会立ち上げの理由をあげている。

  検討会委員には内田健夫日本医師会常任理事のほか、遠藤治国立保健医療科学院生活環境部環境化学室長、加治正行静岡市保健福祉子ども局保健衛生部参与、見城美枝子青森大学社会学部教授、曽根智史国立保健医療科学院公衆衛生政策部長、高見浩全国飲食業生活衛生同業組合連合会青年部会長、永井厚志東京女子医科大学病院長、永山久徳全国旅館生活衛生同業組合連合会青年部長、久道茂宮城県対がん協会長、望月友美子国立がんセンター研究所たばこ政策研究プロジェクトリーダーが就任する。

  東京都葛飾区が区民に知らせている受動喫煙への解説では「喫煙者が直接吸う煙(主流煙)より、たばこの先端の火のついている方から出ている煙(副流煙)の方が煙の中の有害物質は多い」と紹介している。その理由は「主流煙はフィルターを通しているが、副流煙はフィルターを通さないから」で、有害物質の比較をすると主流煙を1とした場合、副流煙にはニコチンが2・8倍、タールが3・4倍、一酸化炭素が4・7倍、アンモニアについては46倍という。

  このため受動喫煙によって「粘膜への影響として、のどの痛み、循環機能への影響として心拍数の増加・血圧の上昇が生じ、心臓の悪い人が心筋梗塞の発作を起こすきっかけにもなり、呼吸機能への影響として肺がんのリスクが高まるほか、乳幼児や学童期の子どもが気管支炎、喘息、鼻炎にかかりやすくなる」と指摘。喫煙する人には「妊婦や子ども、病人の周囲では喫煙しない」など、マナーや配慮を求めている。