週に1回以上、健康食品を利用している男女500人に対する調査でサプリメントや飲料など形状に関係なく8割から9割が安全性について不安を感じず、その理由の1位は「メーカーが信頼できる」というものであることが今月開かれた厚生労働省の健康食品の安全性確保に関する検討会で永留佳明委員(健康と食品懇話会理事)から示された「健康食品の安全性に関する消費者意識(ネット調査)」の報告資料で分かった。
調査は健康と食品懇話会消費者研究ワーキンググループが行ったもので、昨年12月4日と5日に実施され、週に1回以上健康食品を利用している20歳代から60歳代までの男女それぞれ250人、計500人から回答を得たもの(調査会社はヤフーバリューインサイト)。
それによると、健康食品への安全性に対する不安について、「あまりない」、「考えたことがない」という回答が、ビタミン・ミネラル系統のサプリメントでは79%、その他のサプリメントでは80%、飲料・ドリンクでは88%、その他の食品では89%と形状の違いで差はあるものの、8割から9割は不安を感じていないことが分かった。
その理由の1位には「メーカーが信頼できるから」があげられており、ワーキンググループでは「消費者が健康食品を選ぶ際、メーカーの知名度や信頼性を安全性の重要な基準に据えていることがわかった」としている。
一方で、サプリメント系統では約2割の人が、飲料・ドリンク、その他の食品には約1割の人が、不安が「ある」、「ややある」と回答していた。
不安を感じる部分についてはサプリメント系では、圧倒的に「成分の安全性」があげられ、次いで「原料の原産国」、「食品添加物の安全性」となっており、原料に起因する安全性が大きな不安要因になっていた。飲料や食品系では、「食品添加物の安全性」が一番にあげられ、次いで「成分の安全性」、「メーカーの信頼性」、「原料の原産国」があげられていた
ワーキンググループでは「食品添加物のように従来からその安全性が注意されているものに加えて、原料の原産国、メーカーの信頼性もあげられたことは、最近の食品業界の偽装問題を反映しているように思われた」と報告している。
次に普段から健康食品の安全性に対してどの程度意識して利用しているかについての質問には必ず安全性を確認して利用している(5%)と安全性にはできるだけ注意して利用している(45%)を合わせると49%と2人に1人は安全性に注意を払いながら利用していることが分かった。一方で「安全性は気にしているが、判断する方法がない」との回答も43%あるなど、全体として安全性に対する関心の高さが裏付けられた。
また、現在、「原料や製造方法、商品に対して、安全性が十分確かめられた食品につける認証マーク」の導入を健康食品業界全体で検討しているが、認証マークがあると安心ですか、という問いには、男女とも「安心である」「やや安心である」とする回答は90%となり、安全性に関する認証マークについて好意的に捉えていることがわかった。
また、『実際にそのマークのついた商品があれば購入するか』との質問には、「認証マークのついた商品のみを買う」が10%、「できる限りマークのついた商品を買う」が42%、「同じような商品であれば、認証マークの商品を選ぶ」が39%と、ほとんどの人が認証マークがあれば購入時の参考にすると回答していた。