活性酸素の名付け親・淺田氏らに「みどりの学術賞」

2008年03月10日 11:00

 国内で植物や森林、緑地、造園、自然保護等に係る研究や技術の開発など「みどり」に関する学術上の顕著な功績のあった個人に内閣総理大臣から贈られる平成20年みどりの学術賞受賞者に京都大学名誉教授の淺田浩二氏と東京大学大学院工学系研究科教授の石川幹子さんが決まった。4月25日に都内で開かれる「みどりの式典」でみどりの学術賞が授与される。

 淺田氏は植物光生化学分野で世界にさきがけ生物に害を及ぼす反応性の高い酸素の分子種を「活性酸素」と名づけ、活性酸素を中心に植物の環境ストレス耐性の機構を明らかにするなどの功績が高く評価された。

 石川氏は緑地環境分野で世界各国での「みどり」の継承や創出のあり方、大都市圏問題に対応する緑地の役割を明確にすることにより、「みどり」が社会共通の資本であることを論証し、国内外の緑地計画の策定や指導にあたってきたこれまでの活動が評価された。

  内閣府みどりの学術賞選考委員会委員長の山田康之氏は「植物光生化学の分野で光合成の仕組みを解き明かした淺田浩二博士、緑地環境計画の分野で都市における緑地の役割を明らかにした石川幹子博士という、細胞と都市という全く異なるスケールで研究を行っているお二人がみどりの学術賞を受賞されることは、みどりの持つ豊かなイメージを象徴するものであるとともに、今後とも、みどりに関する学術がバランスよく発展していくことを願う選考委員会のメッセージでもある」と話している。