労働者派遣制度の見直しへ

2008年02月13日 11:00

 違法派遣の頻発とワーキングプア問題で
 労働者派遣制度の見直しへ
 省令や指針の取りまとめ急ぐ
 厚生労働省

 厚生労働省は日雇い派遣における労働者保護の観点から、労働者派遣制度の見直しを図る必要があるとして、今月中に必要な省令や指針の取りまとめを行うことにしている。
 労働派遣法は平成15年に改正され、製造業務への派遣などが解禁になったことから、派遣労働者が年々増加している。
一方で、港湾運送業務への派遣や二重派遣など違法な派遣が頻発しており、日雇い派遣大手のグッドウィルが事業停止命令を受けるなどの問題も起きている。
 同省の調べによると、派遣労働者は17年度に比べ18年度は対前年比26%も増加し、321万人に上っている、という。
 このうち、人材派遣会社に登録し、常用雇用の状態での一般労働派遣事業での派遣労働者は64万5767人、特定労働者派遣事業での常用雇用労働者(22万734人)と合わせると86万6501人になる。
 派遣労働者の賃金は一般労働者派遣事業での場合、8時間換算で平均1万571円。特定労働者派遣事業での場合1万4156円になっているが、1月23日に開かれた自民党雇用・生活調査会での労働派遣法のあり方に関する論議の中でも「派遣会社が優越的地位を濫用している」「ワーキングプアなどの問題について、国民生活を守る観点から取り組むべき」など厳しい意見が出ていたという。非正規社員の処遇改善が求められている。