大学全入時代、面接・論文に「学力テスト」も加えて

2008年02月06日 11:00

 大学の推薦入学などの試験で
 中央教育審議会作業部会
 大学生学力の底支えが必要と判断

 少子化がすすみ、大学全入時代を迎えるとともに、大学生の基礎学力低下がいわれているおりから、中央教育審議会作業部会専門委員会は大学入試の推薦入学などで面接や論文だけで入学させる状況を改め「推薦入試にも学力テストを導入するよう」方針を示した。
 これは、高校から大学への進学の際に「頑張らないと入学できなかった時代とちがい、こどもの数の減少に伴い、大学側も(経営上)入学させざるを得ないという時代に入った。面接や論文だけの推薦入学だと生徒の学力を担保するものがない」(文部科学省)という状況になっているため。
 学生の学力の底支えをするには、学力テストを面接試験や論文試験に付加することが必要だろう、との考えだ。
 文部科学省では、このほかにも、漢字検定や英語検定などの成績をはじめ、それぞれの分野で秀でた成績を修めているという実績があれば、ひとつの判断材料になるだろうし、高校側で作成する生徒の調査書を現在より、もう少し詳細なものにして生徒の特性などが分かりやすいものにするとか、大学側から調査書に記載する教科を特化して高校側に求め、その教科について詳しい調査書を提出してもらうなど、検討していく余地があると思う、と話している。
 高校卒業生の減少により、大学側では学生確保の手段として面接だけ、あるいは論文(作文)と面接のみで入学を許可する大学も珍しくなく、すでに大学生の4割近くまでが一般入学試験を受けずに入学を許可されている、といわれている。