小、中学校については2月中旬に改定案を公表へ
年度内改定をめざす
【文部科学省】
文部科学省は「幼稚園、小学校、高等学校、特別支援学校の学習指導要領などの改善について」中央教育審議会からの答申を受け、幼・小・中学校の学習指導要領の改定作業を進めている。2月中旬には改定案を公表し、1ヶ月間のパブリックコメントを行ったうえで、年度内に改定したい意向だ。高校については平成20年度のできるだけ早い時期に改定したい、としている。特別支援学校については幼、小、中の改定後に改定する。
同省では改定後は「平成20年度に周知を図り、平成21年度から可能な限り先行実施に努めるとともに、小学校においては平成23年度から、中学校においては平成24年度から完全実施したい」としている。
中央教育審議会がさきに答申した中では、こどもたちへの教育指導について「基礎的・基本的な知識、技能の習得については個別には課題があるものの、全体としては一定の成果が認められる」と評価する一方で、「思考力、判断力、表現力などを問う読解力や記述式の問題に課題がある。これらの力は現行学習指導要領が重視しており、子どもたちが社会において必要とされる力であることから、大きな課題であると言わざるを得ない」としている。
そして、これらを養うには「教科において基礎的・基本的な知識、技能の習得とともに観察、実験やレポートの作成、論述といった知識、技能を活用する学習活動が必要だが、これを行うには、現在の小、中の必修教科の授業時間数は十分でない」と授業時間数の見直しの必要を提言。合わせて「教職員の配置、設備、教科書、教材、ICT環境の整備も含めた教育条件の整備や地域全体で学校を支援する体制の構築、学校や教師を支える教育行財政のあり方について幅広く検討する必要がある」としている。
ま た、具体的な提言では「国語、算数、理科、社会、体育の授業時間数を増加させる」「小学校高学年では年間35単位、週1コマ、外国語教育の時間を設ける」「中学校においては選択教科の時間数を減らし、必修教科の内容や時間を増やす」「高校においては生徒の状況を十分に把握し、生徒の将来の職業や生活を見通して、社会で自立的に生きるために必要な力をはぐくむことが可能となるよう学習指導要領の規定には共通性を維持しつつも、一定の弾力性を確保する方向で検討する必要がある」としている。また、学校の週休5日制について「これを維持することが適当」との判断を示している。