NEDOや三菱電機などが次世代モジュール型データセンター構築

2012年09月27日 11:00

 NEDOがNTTファシリティーズや三菱電機・日本電気などと共同で、省エネ技術を結集した次世代モジュール型データセンターを構築したと発表。高電圧直流電源技術、サーバー液冷技術、グリーンクラウド運用技術、データセンターモデリング・評価技術に、今回新たに開発した外気導入技術(特許出願中)を組み合わせ、総消費電力を従来に比べ30%削減できることを検証。商用電力の供給量が制限された際に、制限内で効率良くデータセンターの運用が行える運用技術も開発する。

 近年、情報流通の核となるデータセンターおよび、それを構成するIT機器の消費電力が急増。さらに情報システムのクラウドコンピューティング化やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)、ビッグデータといった新しいデータの活用にともない、データセンターの増設は続く状況にある。一方で、2011年に発生した東日本大震災の影響により、電力の使用制限が発動されるなど、広く節電の要請がなされており、データセンターにおける消費電力を大幅に削減することが必須となっている。

 しかし従来のデータセンターの建設では、IT機器、空調設備、電源設備、建物が、それぞれ異なる事業者によって異なる目標が設定され設計・製作・構築されおり、データセンター全体としてエネルギーを効率良く利用できておらず、また各事業者において、個別の技術としてはエネルギー効率の高い製品の実現が進んでいるものの、データセンター全体として見ると消費電力を削減できる余地が多く残っているという。

 こうした状況を受けて産業技術総合研究所(産総研)つくばセンター内に構築した次世代モジュール型データセンターは、液冷を用いたファンレスサーバーや外気導入によるエアコンレスなどにより大幅な消費電力の削減を実現。今回構築したデータセンターでクラウドサービスやWebサービスなどをつくば市で1 年以上運用し、実際的な運用状態において消費電力削減の効果を評価。また、1 年間運用することで、つくばにおける外気環境条件での動作および削減効果評価を行うとともに、つくばでは自然に形成されないさまざまな外気環境下での評価も行う。