太陽誘電が、サイズや静電容量、内部抵抗はそのままに、使用温度範囲の上限温度を70℃に向上させたほか、最大使用電圧3.5Vであれば、85℃での動作に対応したシリンダ型リチウムイオンキャパシタを開発したと発表。9月より子会社の太陽誘電エナジーデバイスにて、月産10万個体制で量産を開始する。
通信機能による多様な電力制御を可能とするスマートグリッドに使用される集中検針システムやスマートメータは、停電防止や送電調整など多様な電力需給を可能とするために、無線通信機能やリアルタイムクロック機能が付加されている。そのため、従来のメータでバックアップ用電源として使用されているバッテリーや電池と比べて、より長寿命であることや、無線通信時に大きな電流を供給できることが要求されている。こうした用途に、高エネルギー密度、長寿命、高耐圧という特徴をもつシリンダ型リチウムイオンキャパシタの採用が始まっているものの、従来のシリンダ型リチウムイオンキャパシタは使用温度範囲の上限温度が60℃までしか対応しておらず、より高温での動作に対応することが求められている。今回の新製品は、こうした状況を受けたものとなる。
スマートハウスが普及し、スマート家電の登場も目前となっている中、スマートメータの導入が現実味を帯びてきている。実際の導入に向け、今後もこうした開発は活発化を見せるのではないだろうか。