拡大するヘアケア市場、消費者のニーズを的確に捉えた商品展開とは

2012年09月03日 11:00

 近年ヘアケア剤市場は、髪や地肌についた汚れを洗い流す「地肌ケア」や育毛を謳う「スカルプケア」といった商品・ブランドが増加。富士経済の調査によると、クレンジングや地肌ケア機能を持つ商品ニーズの高まりを受け、地肌ケア市場は2008年と比較して約3倍にまで拡大しているといい、様々なメーカーから次々と新商品が市場に投入されている。

 花王からは、ひどく傷んで広がってしまい、まとまらない髪に深く悩む女性に向けて、シャンプー前に使うトリートメント、「エッセンシャル ダメージケア シャンプー前の高浸透ジェル」が9月15日から発売される。自社の調査にて、髪の傷みによる広がり・まとまりに悩みを持つ女性が、18~49歳で約14%にのぼったことを受けた商品となっており、乾いた髪に成分をより深くまでしっかり浸透させるカラーリング剤の技術を用いて、浸透性ダメージ補修成分を髪の内部へ浸透させ、ダメージにより空洞化した毛髪内部を補修するという。

 またピジョンは、1才半頃からの女の子向けのヘアケア用品「Angel&Girl(エンジェル&ガール)シリーズ」を8月20日から発売。この商品も自社による調査の結果から生まれた商品で、母親の98%が子供の髪の毛が絡んだりして困ったことがあり、また、約60%が大人用のケア商品をつかうことに抵抗があると回答したことを受けたもの。コラーゲン、アロエエキスを配合しており、乾燥から子供の髪を守る商品となっている。

 さらに山田養蜂場からは、加齢に伴う毛髪の悩みや不安に着目し、RJスキンケアシリーズから地肌の環境を整え、ハリとツヤのある髪の毛へと導く「RJ地肌ケアシャンプー」と「RJ地肌ケアコンディショナー」が発売。山田養蜂場ならではの、ローヤルゼリーの有用性を活かしているだけでなく、グリチルリチン酸ジカリウムやトウキ・シャクヤク・マグワ・冬虫夏草エキスなどの和漢植物由来成分や、椿油・杏子油などの植物由来も配合された地肌に優しいヘアケア商品となっている。

 市場が拡大するにつれて、各メーカーが独自に調査した上で、消費者のニーズに迫った商品の展開が進んでいるようである。今後は、よりニッチなニーズに対応した商品が数多くラインナップする市場となりそうである。