筆者は以前、千葉県に住んでいたこともあり、東京ディズニーランドにも何度か足を運んだことがある。そして行くたびに、従業員全員に徹底されたホスピタリティの精神、また場内でほとんどゴミを見かけることがないなど、「夢の国」としてのブランドを維持するための企業努力に感嘆させられたものだ。その「夢の国」ディズニーランドの入園料金が、4月の消費税増税以来、再び値上げされることとなった。
13日、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを運営するオリエントランド<4661>は、平日午後6時以降にディズニーランド、ディズニーシーのどちらかに入園することのできる「アフター6パスポート」の料金を9月1日から500円引き上げて、3900円にするとの発表を行った。
今回の値上げに至る経緯についてオリエンタルランドは、5月よりシンデレラ城を利用した立体映像ショーや、光を使ったパレードなど、利用者が夜間に楽しむことのできる企画が充実し、ディズニーランド、ディズニーシーそれぞれの価値が向上したためとしている。また9月8日より、「ジャングルクルーズ」の演出を、昼と夜とで異なる形にリニューアルすることも予定されている。
料金は4歳から大人まで均一で、4月の消費税増税に伴い従来の料金よりも100円値上げしたばかりだった。ほかのチケットについては、そのまま据え置かれる。
オリエンタルランドは2016年度までの経営計画の中で、中長期的に単価を引き上げるとの目標を掲げており、今回の値上げもその一環とみられている。そして23年までの10年間で園内の敷地の拡張やエリアのリニューアルなどに500億円規模の投資を行うとの予定も立てており、その投資金額を入園者数のアップと客単価のアップによってもたらされる収益でもってまかないたい考えだ。
相次いで行われる「夢の国」の値上げ。この値上げ金額を高いととるかどうかは、その人のディズニーランド・ディズニーシーに対する思い入れによっても変わってくるだろうが、はたして今回の値上げが入園者数にどう影響するのか、今後の動向に注目したい。(編集担当:滝川幸平)