米国の実測データ 原発事故住民避難に活用せず

2012年07月17日 11:00

 東京電力福島第一原発事故発生後の昨年3月17日から20日の間、米国エネルギー省が同原発周辺地域の放射性物質を実測した空中モニタリングデータを外務省に提供していたが、その情報を公表せず、住民避難にも活用しなかったとして、参議院の佐藤正久議員(自民)から質問主意書で理由を質された政府は「現時点(7月10日現在)で定かでない」と住民避難に活用しなかった理由が未だに解明されていないとする回答をした。

 佐藤議員は、政府はSPEEDIのデータを避難に使用しなかったのは推測値であり、無用な混乱を引き起こさないためと答弁していた。米国モニタリングデータは実測値で、住民避難判断に活用すれば、より適確、迅速な判断に結びついたのではないかとして政府を質した。(編集担当:森高龍二)