2009年の政権交代以降、衆議院議員が国会でどれだけ働いてきたかの参考になる国会での質問回数、質問時間、質問主意書提出回数や議員立法の提案回数を抽出し、ランキングした国会活動での通信簿ともいえる「国会議員(三ツ星)データブック 2012総選挙版 質問王ランキング」が東京プレスクラブから出版された。
出版者は「任期中ほとんど国会で発言していない議員がいる。それもかなりの数の議員」とし、「基本的に全衆議院議員(今回の衆議院解散前現在での)2009年9月からの国会活動データをランキングした」としている。
その上で「わたしたちは国会議員を選ぶとき、テレビへの露出度や見た目の格好良さ、選挙の時の魅力的なささやきだけを基準にしていないか。過去の活動ぶりをきちんと検証して、次の国会に送り出すかどうかを決めるべきだはないでしょうか」と客観的な検証を踏まえた議員選びを提起している。
ちなみに国会質問回数ランキングの1位はみんなの党の柿澤未途議員で257回。2位は日本未来の党(当時は社会民主党)の阿部知子議員と日本共産党の高橋千鶴子議員(ともに122回)だった。ベストテン入りはみんなの党、日本共産党、社民党、公明党の議員だった。
質問時間ランキングでもみんなの党の柿澤未途議員が4908分とトップになり、2位は自民党の馳浩議員(3407分)、3位は日本共産党の高橋千鶴子議員(3102分)だった。
常任特別委員会で、テレビ中継などが入る予算委員会での質問回数のトップは日本未来の党の阿部知子議員の41回、日本共産党の笠井亮議員が27回で2位。質問時間では自民党の石破茂議員が1位で1099分、日本未来の党の阿部知子議員が781分で2位だった。
議員立法提出回数では政策立案能力の高さか、ブレーンやスタッフが揃っているのか、上位13人までを自公が占めた。トップは公明党の西博義議員で11回。2位は自民党の柴山昌彦議員(10回)、3位は自民党の塩崎恭久議員、田村憲久議員(ともに9回)。民主党は14位が最高で逢坂誠二議員の6回だった。
質問主意書の提出回数では自民党の木村太郎議員が395回でトップ。次いで、新党大地の浅野貴博議員(313回)だった。3位には新党大地の鈴木宗男氏(287回)が入っていた(鈴木氏は2010年9月に議員を失職しており、議員活動していた期間中の質問主意書の多さを示す結果になった)。調査期間は2009年の172国会から2012年の181国会までを対象にしたとしている。(編集担当:森高龍二)