ロレンソ今季5勝目、リタイアのペドロサをポイントで引き離す…MotoGP

2012年09月17日 07:45

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今季5勝目を決め、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)は渾身のガッツポーズ

激しいチャンピオン争いとなっているホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)とダニ・ペドロサ(ホンダ)の2人のレース展開が注目される中、第13戦サンマリノGPが開催された。

 レースが行われるミサノ・ワールド・サーキットはバンピーな路面に加え、海風が運んでくる砂がグリップを難しくする、非常にコンディションの厳しいコース。そんな不安定なコース状況でポールポジションを掴んだのは、3連勝を狙うペドロサ。ポイントリーダーのロレンソが2番手、前レースで表彰台という結果を残したカル・クッラチロー(モンスター・ヤマハ・テック3)が3番手となり、フロントローをこの3台が占めた。地元レースとなるバレンティーノ・ロッシ(ドゥカティ)は多くの声援を受け、今シーズン最高タイとなる6番グリッドからのスタートとなった。

 スタートを迎え、ウォームアップで何とペドロサとカレル・アブラハム(ドゥカティ)のエンジンが停止するというトラブルが発生。しかし、これは波乱のレースの序章にしか過ぎなかった。スタート直前にはまたしてもアブラハムのエンジンが停止、周回数も27ラップに変更された。ようやく再スタートになった時、ペドロサのマシンにもトラブルが発生し、グリッドからピットロードに回避したため、最後尾スタートとなってしまう。だが、今週末はさらに厳しい試練がペドロサを待っていた。

 混乱の中、レースはスタート。ホールショットは難なくロレンソが奪い、続いてロッシが2位のポジションを奪う。最後尾スタートのペドロサも得意のロケットスタートで12位にジャンプアップし面白いレースを期待した瞬間、後続のマシンがリアタイヤを引っ掛け、転倒。彼のレースは1周することもなく終わってしまった。

 序盤からファステストを叩き出し、2位以下を引き離すロレンソは安定した走りを見せ、その差を広げていく。だが、同じヤマハ勢のクラッチローは5周目に転倒、2戦連続の表彰台は叶わなかった。

 ロレンソを脅かす者は今レースには存在せず、そのまま終盤に突入。ロッシも2位のポジションをキープしたまま、ゴールを目指す。見応えがあった3位争いは予選から速さを見せていたアルバロ・バウティスタ(ホンダ)が残り9周でステファン・ブラドル(ホンダ)をかわし3位に浮上、猛追してきたベン・スピース(ヤマハ)とアンドレア・ドビツィオーゾ(モンスター・ヤマハ・テック3)との三つ巴の戦いを最後まで繰り広げた。最終的にはバウティスタがドビツィオーゾとのデッドヒートを制し、初の表彰台となる3位を勝ち取ったが、その差はビデオ判定になるほどの僅差(わずか0.003秒)だった。

 残り5戦となり、ポイントリーダーは270ポイントでロレンソ、2位のペドロサがポイントを獲得できなかったため、その差は38ポイント差と広がった。このままロレンソがトップをキープして独走態勢を築くのか、あるいはペドロサが巻き返すのか、終盤を迎えるMotoGPは、あと1戦を戦い、いよいよ日本に乗り込んでくる。

 次戦、アラゴンGPは9月30日、モーターランド・アラゴンで決勝が開催される。(編集担当:加藤隆文)