ファーストリテイリング<9983>が運営するカジュアル衣料品店ユニクロは22日、ユニクロにて靴の販売を再開させるとの発表を行った。今月27日より全国のユニクロ店舗で順次発売を開始するという。ファーストリテイリングは2005年に靴の専門店事業に参入していたが、業績不振により11年には撤退。その際、ユニクロでの靴の取り扱いも中断させていた。しかし服以外の品ぞろえを強化する目的から、今回4年ぶりに靴の販売を再開させることとなった。
ユニクロで販売が再開される靴は男女共通のデザインで、紐なしの靴スリッポン型と、紐ありの靴シューレース型を取り揃えた。それぞれ販売価格は2990円(税抜き)となっている。これらの靴は企画から販売までを自社で手がけるSPA(製造小売り)で開発されており、歩行中の衝撃を和らげる機能や耐久性に優れているという。27日より全国のユニクロ店舗で順次発売が開始されるが、今後はスニーカー以外の種類も追加していく。
ユニクロは10年4月に靴の販売を開始させていたが、思うように業績が伸びないことから11年8月に販売を中断させていた。しかし最近ユニクロではアクセサリーや帽子、ベルトなどの小物も充実してきており、靴も含めたトータルコーディネートが可能になるとの目算から、今回靴の販売を再開させるに至った。そして今回販売が開始されることとなったスリッポン型、シューレース型の2種類の靴では、機能性の高さだけでなくユニクロ商品との合わせやすさも考えてデザインされており、靴を含めたトータルコーディネートを顧客に提案することで、さらなる業績拡大と品ぞろえの充実をはかりたい考えだ。
国内の販売は今月27日からだが、海外ではすでに販売が開始されている。韓国で4月13日より、アメリカや中国で20日からすでに販売が開始されており、さらに6月8日よりフランスでも販売が開始される。
これまでハイヒールやブーツを好んで履いていた女性が、楽に履けるスニーカーを好むようになったこと、また退職を迎えた団塊の世代もビジネス靴からスニーカーに履き替えを行っていることなどから、今、性別問わず広い世代の間でスニーカーブームが起こっている。トータルコーディネートの提案という目的もあるだろうが、今回のユニクロの靴再販売はこのブームに合わせたものとも考えられる。一度撤退したユニクロの靴販売が、今回はどういう結果を迎えるのか、今後の動向に注目したい。(編集担当:滝川幸平)