積極的な展開を行っているユニクロの海外事業が功を奏し、ファーストリテイリング<9983>の業績が伸びている。また課題とされていた国内でのユニクロにも改善傾向がみられ、今後もユニクロの海外展開を加速させることから、ファーストリテイリングは2015年8月期の営業利益が前期比38%アップの1800億円になるとの見通しを発表した。
9日、ファーストリテイリングは15年8月期の業績予想を発表。それによれば、売上高が前期比15.7%アップの1兆6000億円、営業利益が前期比38%アップの1800億円、純利益が前期比36.1%アップの1080億円という見通しを示した。年間配当は20円増配して、年320円を予定。
15年8月期では、国内でのユニクロ事業、海外でのユニクロ事業、そしてGU(ジーユー)などの事業で増収増益を見込んでおり、海外でのユニクロ事業においては、さらに海外出店を加速させ、期末には818店舗とし、国内のユニクロ店舗数844店舗(フランチャイズを含む)と遜色のない店舗体制を整える計画だ。
また同日、ファーストリテイリングは14年8月期の連結決算も発表。それによれば、売上高は前期比21%アップの1兆3829億3500万円、営業利益は前期比2.8%ダウンの1304億200万円、純利益は前期比26.2%ダウンの793億3700万円という結果であった。
このうち、国内でのユニクロ事業の売上高は前期比4.7%アップの7156億円で、営業利益は前期比11.6%アップの1063億円であった。店舗の大型化を推進したことにより、1店舗あたりの売り上げが増加したことが増収増益へとつながった。また海外でのユニクロ事業の売上高は64.7%アップの4136億円で、営業利益は165.1%アップと、こちらも増収増益をはたした。中華圏や韓国、ヨーロッパでの既存店売上が好調に推移したことが寄与した。
今回発表された14年8月期の売上高1兆3829億3500万円という結果は、過去最高を更新。一時期は「ユニクロの勢いにも陰りが見え始めた」という見方もあったが、しかし好調な海外ユニクロ事業を柱に、ファーストリテイリングの躍進はまだまだ続きそうな気配だ。(編集担当:滝川幸平)