自動車市場が活況のロシア、三菱自などが販売力を強化

2013年01月17日 09:08

  ロシアの自動車総需要は2008年のリーマンショック後の落ち込みから予想を上回る回復を遂げ、2012年(暦年)の新車販売台数は過去最高の約290万台に到達。ロシア経済の潜在的成長性を背景に中長期的にも更なる拡大が見込まれている。ロシアの自動車市場は、欧州市場ではドイツに次ぐ位置を誇示しており、2015年には300万台規模の市場へと成長する可能性もあるともいわれているほどだ。

  そのような中、三菱商事<8058>とロシアを最重要市場の一つと位置づけている三菱自動車<7211>、ロシアRolfグループの3社は、在ロシアの三菱自動車総販売代理店であるRolf Import社(以下、RI社)につき、三菱自動車の参画を通じ、資本再編することに合意したという。新生RI社は、三菱商事と三菱自動車が、Rolfグループの所有するRI社株式を9%ずつ譲り受けることにより、三菱商事49%、Rolfグループ42%、三菱自動車9%の株主構成となっている。

  ここ数年、ロシアにおける三菱ブランド車の販売はSUVモデルを中心に好調を維持しており、2012年の新車販売台数は7.4万台に達している。Rolfグループは1992年よりロシアにおける三菱ブランド車の販売事業を行ってきており、2004年に三菱ブランド車の輸入卸売事業に特化したRI社を設立。2009年には三菱商事が同社に出資参画し、Rolfグループと共にその経営・販売・物流機能の強化に取り組み、販売台数の拡大、並びに高いブランドイメージを実現してきた。

  今回の三菱自動車のRI社への参画は、商品企画面でマーケットニーズにより迅速に対応できる体制を作り、競争が激化するロシア市場で更なる成長を目指すためだという。日産<7201>、トヨタ<7203>もロシアでの新車発売台数を着実に伸長しており、今後、日系自動車メーカーのロシアでの販売力強化はますます加速すると考えられる、注目していきたい。(編集担当:宮園奈美)