政府は生活保護制度の見直しを急ぐ考えだ。給付水準が適正かどうか、自立に向けての支援体制のあり方、不正受給に対する厳格な対処など、社会保障と税の一体改革に関する民主・自民・公明3党による社会保障部分の実務者間会合でも生活保護制度の現行の問題点を改善していく必要が確認された。
3党の実務者間会合では不正な手段で生活保護を受けた者などへの厳格な対処を行うための見直しをはじめ、生活扶助や医療扶助などの給付水準の適正化、生活保護世帯に属する者の就労の促進などを早急に実施していくことなどが確認された。
また、生活保護を受けている世帯の子どもが成人になったあと、再び保護を受けることが余儀なくなることを防止するための支援策の拡充や就労が困難でない者が正当な理由なく就労しない場合にも厳格に対処する措置なども検討することとしている。
生活保護は最後の公的セーフティネットだが、受給のためには厳しい条件をクリアする必要があるものの、受給世帯になると、今度は就職活動資金の捻出が難しく生活保護から抜け出しにくいなどの問題も指摘されている。
小宮山洋子厚生労働大臣は「今は働いて少しでも収入があるとその分、生活保護費がカットされるわけですが、生活保護から抜け出して自立するときの資金に出来るように、働いて得た所得を貯蓄することを可能に出来ないか、検討したい」と現実的な自立支援策を見いだしていきたい考えを示している。(編集担当:森高龍二)