西高東低となった国内マンション市場、2013年は逆転するか

2013年01月22日 09:32

  不動産経済研究所の発表によると、12月のマンション市場動向は、近畿圏で前年比34.8%増となり2012年最大の発売量となった一方、首都圏においては3.0%減となり、西高東低が浮き彫りとなる結果であった。

 西高東低の結果となったのは供給戸数だけではなく、契約率も同様である。首都圏の契約率は、前年同月比0.6%増、前月比では7.6%も上昇し、79.5%であったのに対し近畿圏では、前年同月比11.8%増、前月比10.6%増の81.1%となった。また即日完売物件についても、その戸数は首都圏で303戸に対し近畿圏は396戸と多い。さらに倍率に関しても、首都圏で最も高い倍率となった物件は野村不動産 と三菱商事 が売主となっているプラウド船橋三街区1期2次であるが、最高倍率が9倍であり、その他は高くて3倍止まりである。一方近畿圏では、リバー産業が事業主(売主)・規格・デザインを手がけたなんばセントラルプラザリバーガーデンが最高倍率13倍を記録しており、9倍、4倍といった物件も見られる。

  こうした傾向は12月だけのものではなく、2012年通年で見られた。通年での近畿圏におけるマンション販売戸数は前年比15.1%増加。一方首都圏では、2.5%増と微増にとどまっている。これらの数字からは、一昨年の震災が依然として大きな影を首都圏に落としているということが言えるのかもしれない。

 国土交通省の資料によると、近畿圏の人口はすでにピークアウトしており、ほぼ横ばいではあるものの減少に向かっている。一方の首都圏は、近い将来にはピークアウトを迎えるものの未だ増加傾向にある。さらに、三井住友トラスト基礎研究所による不動産投資に関する投資家アンケート調査によると、投資対象エリアは「東京23区」が最も多く、全体の70%以上だという。その他のエリアを投資対象とする回答は顕著に少ないことから、首都圏に対する注目度の高さ、そして期待が見て取れる。となると、今年以降のマンション市場動向は、2012年とは逆に西低東高となるのかもしれない。(編集担当:井畑学)