エルピーダメモリ、マイクロンと支援に関する契約締結に向け協議開始

2012年05月11日 11:00

 エルピーダメモリが、米国のマイクロンテクノロジーと、マイクロンテクノロジーによるエルピーダメモリへの支援に関する契約の締結に向けた協議を開始すると発表した。今回の協議は、東京地方裁判所が、エルピーダメモリの会社更生手続に従い、マイクロンテクノロジーとの契約条件交渉に入ることを許可したことに基づくものである。

 世界トップレベルの技術力により、DRAMの開発・設計・製造・販売活動を展開しているエルピーダメモリは、平成24年2月27日、東京地方裁判所に対し会社更生法に基づく会社更生手続開始の申立てを実施。会社更生手続は既に開始されており、当該手続におけるスポンサーとして当社を支援する候補先を選定するための入札手続を行った結果、マイクロンをスポンサーの有力候補先として交渉を進めることを決定した。

 マイクロンテクノロジーは、先進的な半導体ソリューションを提供する会社。同社は、世界的な事業展開により、幅広い種類のDRAM、NAND及びNORフラッシュメモリの製造、販売を行うと共に、革新的なメモリ技術、パッケージング・ソリューション、半導体システム等を提供しており、それらの製品や技術は、先端コンピューティング、消費者製品、ネットワーキング、内蔵メモリ、モバイル製品等に使用されている。

 負債総額4480億円を抱える国内唯一のDRAMメーカー、エルピーダメモリ。300億円に及ぶ公的資金も注入された「潰す訳にはいかない企業」が、米国企業の手によって再生を図ることとなる。日本の半導体企業低落の象徴とも言えるエルピーダがどのような末路を進むのか、まだまだ目が離せないであろう。