民進党の安住淳国対委員長は16日の記者会見で、東京オリンピック招致をめぐる不正送金疑惑について「(フランス当局は)国家が正規の手続きを経て捜査しているのに、日本はあまりに不熱心」と真相解明への政府等の対応の甘さを問題視した。
また招致委員会の元理事長で日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が『正式な業務契約に基づくコンサルタント料』との声明を出していることについては『もしあの(送金先の)会社が、信頼性ある会社だと思うのであれば、そういう方はオリンピックの責任者を辞めた方がいい。パナマ文書に出てくるようなペーパーカンパニーと一緒と思う」と認識の甘さを強く非難した。また「オリンピックの責任者としてまったく相応しくない」と断じた。
一方、竹田会長は16日の衆院予算委員会で「ペーパーカンパニーでないということを確実に認識している」と答弁したが、こうした問題が国際問題になってくるにもかかわらず「現在はどうなっているか、正直、把握しておりません」と無責任極まりない答弁を行った。調査に即刻、着手すべき問題だ。竹田会長は「IOCにも決算報告し、承認を受けている」などと手続き上では契約に問題ないと強調した。
この問題は2020年東京オリンピック・パラリンピック招致をめぐり、日本の銀行から2013年7月と10月に東京五輪招致名目で、国際オリンピック委員会委員で国際陸上競技連盟前会長(ラミアン・ディアク氏)の息子が関係するシンガポールの銀行口座に日本円換算で約2億2300万円(280万シンガポールドル)の送金があったとフランス検察当局が発表したもの。不正に送金されたものではないのか、疑惑が出ており、透明性を高めるうえでも真相解明が強く求められている。(編集担当:森高龍二)