IoT関連で合併会社設立相次ぐ 日本交通もデジタルサイネージ事業の展開で

2016年07月25日 08:29

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都内最大手のタクシー会社、日本交通グループのJapanTaxiとオンライン・オフラインデータからの機械学習を活用した広告配信システムを展開するフリークアウトは、合弁会社「IRIS(アイリス)」を設立した。

 身のまわりのモノがインターネットに繋がり互いに通信し合う時代の到来を前に、企業の事業力強化・新規分野開拓に向けた動きが活発化している。機械学習などのAI技術を自動車・交通関連をはじめさまざまな産業にて展開すべく、業界でシェアを持つ企業とAI技術やIoT技術に強みを持つ企業とが新会社を設立するケースが相次いでいる。都内最大手のタクシー会社、日本交通グループのJapanTaxiとオンライン・オフラインデータからの機械学習を活用した広告配信システムを展開するフリークアウトは、合弁会社「IRIS(アイリス)」を設立した。同社は独自開発のIoT型デジタルサイネージ端末を都心の日本交通のタクシー車両を中心に全国のタクシー車両・商業施設等へ設置し、独自の動画広告商品を販売する。今後は広告配信プラットフォームを拡大していき、2020年までには端末5万台を展開する予定とのこと。
 
 またDeNAとIoT分野でリアルタイム機械学習技術を用いたサービスを開発するPreferred Networksは合弁会社「PFDeNA(ピー・エフ・ディー・エヌ・エー)」を設立した。同社は自動車・交通関連のほか、ゲーム、ヘルスケアなど大規模データを扱うあらゆる産業においてAI技術を活用した企業向けソリューションや消費者向け商品・サービスを提供する。また先日、日本経済史でも最大規模の買収といわれる英ARM(アーム)社の買収でIoT分野で攻めの姿勢を示したソフトバンクも、米国においてテレマティクスサービスプロバイダーとして幅広くIoT関連のソリューションを展開する米Aeris(エアリス)社との共同出資により新会社「Aeris Japan」を設立。多様化、高度化する企業のIoTやテレマティクスの利活用ニーズに対応したサービスを開発・展開していく。

 今後も大手企業と、技術力を持つ企業との新規事業創出シーンは加熱すると予想されるなか、10月4日に開幕するIT・電機の展示会「シーテックジャパン2016」へのベンチャー企業の出展が倍増している。前述のPreferred Networksも出展するこの展示会では、テーマを「IoTとCPS(実空間からのデータをサイバー空間で解析し、再び実空間で展開する)」としており、高度な技術を必要としている企業が目を光らせていると同時に、出展する企業にとっては格好のPRの場となる。

 IoTはインターネットが出たとき以上のイノベーションだと言われており、この分野で先行するために各企業がしのぎを削っていることが伺える。数年先には産業構造が大きく変化することが予想され、早い段階からの準備が企業にとって生き残りの鍵となる。(編集担当:久保田雄城)