企業のCSR活動の新しい形

2012年05月07日 11:00

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アキュラホームが実施する出張授業の様子。宮沢社長のカンナがけの腕前に子どもたちの目はくぎ付けだ。

 企業や団体が学校などに対して行う「出張(出前)授業」。今やコンプライアンスと共に、企業に求められる大きな要素でもあるCSR(企業の社会的責任)活動のひとつとして一般的に認識されており、積極的にプログラム化する企業も多い。

 各企業は未来の社会を支える子どもたちのために、そのプログラムにも様々な工夫を凝らしており、最近では環境に対するテーマなどを分かりやすく授業内容として取り入れる企業も多く見られる。

 例えば、サントリーは水の大切さを子どもたちに伝えるプログラム「水育」を出張授業に取り入れており、その授業で、映像や実験を通して水の循環や日常生活との繋がりを小学4~5年生を対象に学習していく。同社の出張授業は人気も高く、あっという間に予定数に達する応募があるほどだ。また、京セラは自社製品の太陽電池を使用した地球環境の大切さを学習するプログラムを行っている。主に小学4から6年生を対象とし、こちらも人気の高い出張授業だ。

 他にもアキュラホームが行なっている、間伐材の有効利用を通して、地球環境に貢献するという内容の出張授業はユニークなプログラムだ。

『木望(きぼう)の未来プロジェクト』と名付けられた同社のCSR活動は、木造の住宅メーカーという強みを活かした、間伐材を採用した小学校の学習机の天板寄贈や、同社の宮沢社長が自ら講師として子どもたちにカンナがけを体験させるプログラムなどで、元大工の腕前を披露し生徒達の目をくぎ付けにしている。同社はこの活動を通じ、子どもたちには環境問題を意識してもらい、出張授業では木の温もりを伝えている。昨年度「キッズデザイン賞」を受賞したこのプロジェクトは、今年度もその活動の場を広げようとしている。

 このような出張授業は年々参加する企業も増え、非常に大切な学習の場として認識されつつある一方で、利用する学校側にその情報がないケースも多い。国を挙げて環境問題に取り組んでいる今だからこそ、官民一体となって広報活動にもっと力を入れ、未来の日本を担う子どもたちに貴重な学習の場を与えてあげて欲しいものだ。