2017年以降のスマートフォンの動向について、iPhoneの新規製品戦略、samsungのGalaxyブランドの回復、中国メーカーの伸びなどが注目される。
iPhoneは2016年にiPhone 7/iPhone 7 Plusを発表した。これまでの発表サイクルからすると、2017年は大幅な改良ではなく、iPhone 7のマイナーチェンジとして、いわゆるSE版としてiPhone 7SEの投入が有力である。しかし、2017年は初代iPhoneが発表されてから10周年目にあたるため、記念の意味も含めて、一足飛びにiPhone 8が発表されるのではないかとの期待も高まっている。
では、iPhone 8はどのようなものになるだろうか。Appleから公式の発表はないが、ネットを中心に様々な予想が飛び交っている。ディスプレイでは、4K対応の有機ELディスプレイ(OLED)の搭載も期待されている。OLEDは曲面加工が可能であるため、設計の自由度が向上、薄型化の点でも優れていることから、デザイン面で新しいコンセプトを打ち出してくる可能性もある。
プロセサはA11プロセサの搭載が見込まれる。A11は10nmクラスの最先端プロセスで製造されるものとなる。セキュリティ面では、指紋認証に加えて虹彩認証機能も採用する可能性がある。また、現在、Lightning端子で行っている充電についても、ワイヤレス充電の採用が期待される。
一方、2017年に発表したGalaxy 7 Noteで発火・爆破が相次ぎ、業績、ブランドイメージともの大きな傷をおったsamsungがどのような対策を打ってくるかが注目されている。それに先立ち、原因の究明と公表が求められてくる。高性能、長時間駆動さらに薄型化を追求するため、設計に無理があったと見られている。技術面で設計を見直すだけでなく、スケジュール最優先の設計・開発体制を抜本的に改革することが望まれている。
2017年には、ブランド回復の重い役目を担うことになるGalaxy 8はどのようなものとなるのだろうか。これまでの予想では4Kの有機EL高精細ディスプレイ(5.2~5.5インチ)の搭載が有力視されている。プロセサもGalaxy 7まで使用していたQualcomm Snapdragonではなく、自社開発したExynosプロセサ(製造は10nmプロセス)を搭載する可能性が高い。カメラの画素数は最大3000万画素となるとみられる。また、iPhone7と同様にイヤホン端子は廃止される。
ソフトウェア面では、AppleのSiriのような人口知能アシスタント機能が搭載されるものとみられている。発売時期は2017年4月頃が有力視されている。
低価格戦略で急速に普及が進んでいる中国メーカー製のスマートフォンであるが、性能面でも着実に改善が進められている。すでに2016年には独自チップセットの開発、大容量の高性能メモリの搭載、新規ユーザーインターフェース(UI)の提案などが始められている。2017年にはこの動きがさらに加速されるものと見られる。一部の分野ではApple、Samsungに先行するケースも出てくることが予想される。しかし、開発競争に勝ち抜くため、Galaxy 7 Noteのような発火・爆発といった問題が中国メーカーの製品でも起こる可能性はあるだろう。(編集担当:慶尾六郎)