内閣人事局長に元警察官僚で、公安畑を歩いてきた杉田和博内閣官房副長官が就いたことに、4日の菅義偉官房長官の記者会見で、記者団から、前川喜平・元文部科学事務次官の話による杉田氏の過去の発言から「思想統制を官僚全般にわたりしていくのではないか、と国民に受け取られかねないと思うが」と聞かれ、菅長官は「事実関係が明らかでない発言から出ていることに対し、政府として答えることは控えたい」とした。
また菅官房長官は「内閣府の規定に基づいて、人事局長は官房副長官(政治家2人、官僚出身1人)の中から指名することになっている」と説明した。
記者団からは前川・前文部科学次官の話として、杉田氏からは文科省の審議会メンバーに安保法制に反対する学者は入れるなと思想統制的な発言をしていたという話が出ていたという。また天下り人事に関しても、外務省、内閣府のOBは今回の問題から外せ、という指示を出していたという話がでているとし「思想統制的なことに細かく指示を出しているという事が実態なら、こうした方を内閣人事局のトップに据えるというのは、思想統制を官僚全般にわたりしていくのではないかと国民に受け取られかねない」との質問が出た。
人事局長については、安倍内閣としては政治家だった萩生田光一内閣官房副長官(当時)が人事局長に就いていたことから、各省に睨みをきかせ、総理の忖度をさせた可能性が高いなどの批判を踏まえ、政治家でない官僚出身の副長官を選任したとみられるだけに、官僚人事に思想統制が働くのではないかとの提起は耳の痛い話になりそう。(編集担当:森高龍二)